東京高等裁判所 昭和26年(う)397号 判決
選挙運動の手当、報酬として金員を供与又は収受すれば公職選挙法第二二一条第一項第一号或は同第四号に該当する罪を構成するのであつて、仮にその一部を選挙運動の費用に充当する趣旨であつても右犯罪の成否には影響がない。原審が取り調べた証拠によれば、被告人が授受した金員はいずれも選挙運動の費用を含めた手当報酬の趣旨、即ち選挙運動の費用と手当、報酬との割合を区別しないで不可分的に授受されたものであることが明かである。この様な場合にはその授受された金員の内どれだけが選挙運動の費用で、どれだけが手当、報酬であるかを区別することは不可能でもあり、その必要もない。随つてこの点を明確にしないからと云つて、原判決を審理を尽さないと謂い、或は証拠に基かないで事実を認定した違法があるとする論旨は採用しない。